ぐんにゃりとねじまがった空間の中で、意識はぼんやりと覚醒している。
やつらのばらまいたフェイクをひとつひとつつまみ上げ、深いため息にのせて隅の方へ追いやる。
最近はその繰り返しが習慣であり、生活のほぼすべてである。
それらはすでに古い空き家の埃のように、厚いフエルト状になって家具にかぶさっている。
よくもまぁこんなに散らばっているものだ。
たまに夢を見る。
そいつらを固めて、コンクリートに代わる新しい素材を開発する。
やがてそれは瞬く間に広まり、一般的に使われるようになる。
なにせ材料はタダに等しいし、ある程度の地域差はあっても、世界中いくらでも転がっている。
球体全体を覆うのにもあまり時間はかからない。
宇宙から見たら何色に見えるだろうか。